快適な住まい造りに欠かせない断熱材、様々な素材・種類があるなかで当社が採用したのが
セルロース(セルローズ)ファイバーです。
セルロースファイバーとは天然の木質繊維のことで、なぜ、優れた断熱材であるのかをご紹介します。
● 高い断熱性能
なぜ、木質の繊維が断熱材になるのか、それは自然が作った小さな空気の粒にあります。
木の繊維というものは多孔性で様々な太さの繊維が絡み合っていて、この絡み合いが空気層を形成し、
熱を伝えにくくするのです。また、1本1本の繊維の中にも自然の空気胞が存在し、より一層熱や音を
伝えにくくします。さらに、木質繊維特有の吸放湿性で適度に湿度を保ちます。
このセルロースファイバーを機械を使って壁体内に55kg/m3の密度で吹き込むことで、
高い断熱性能を発揮します。
● 環境と人に優しいエコ素材
セルロースファイバーの主原料は環境に配慮インクを
使用した新聞古紙を使用します。
また、新聞紙を断熱材にする為に粉砕を行ないますが、
他の断熱材と比較しても製造エネルギーが小さく、
CO2の排出量が非常に少ないのも特徴です。
● 防燃性・防虫性・防カビ性

一見新聞紙から製造されるので火や水に弱いと思われるかもしれませんが、
ホウ酸を混ぜ合わせて加工されているので、自己消化性を持ち、
万一火災にあったとしても延焼を防ぎ、有毒ガスの発生もありません。また、
ホウ酸が使用されることでカビや菌の発生も押さえ、害虫も寄せ付けません。
● 高い調湿作用
実のところ他の断熱材ではなしえない、
最大の利点がこの調湿性能です。
セルロースファイバーは紙から造りますが、その紙は木から作ります。
なので木材と同様に吸放湿性能・調湿作用があります。
ではなぜ、この性能が重要かをご紹介しますと、大きく2つの理由があります。
1つは人が心地の良い温度・湿度の範囲です。
個人差はあるかもしれませんが、一般的に快適とされる範囲は夏場が温度が25〜27℃湿度が50〜60%、
冬場は温度が18〜22℃湿度が40〜60%となっています。
そして、温度が変わらなかったとしても、湿度が違うと体の感じ方はまるで変わってしまい、
夏場湿度が高いと蒸し暑くなり、逆に低いとカラッとして涼やかに感じます。
冬場の湿度が低いとのどがイガイガしたりウイルスが活発になり、高いと暖かく感じます。
以上のことから、快適な住まいを実現するにはただ高断熱であれば良いと言う事にはならず、
湿度が高い時には吸湿し、低い時には放湿する機能が欠かせないのです。
● 結露から住まいを守る

これもまた、住まいを守るのに重要な特徴のひとつで、上記のように
吸放質性があることで、壁体内の結露を抑制する事が出来ます。
住まいの中で結露を起こしてしまうと、カビやダニが発生し、
人にはアトピーなどのアレルギーを引き起こし、住まいは腐朽菌が繁殖し、
下手をすれば構造体にダメージを与えてしまいます。
これが住まいの寿命を縮めてしまっている要因です。
そして一般的な結露対策として防湿シートを張り、壁体内に湿気を入れないような工夫もありますが、
そうすると逃げ場を失った湿気はどこかで結露してしまいます。
防湿ではなく透湿、これが当社の考え方です。
● 高い防音効果

これも他の断熱材と比べ群を抜いて高い防音性能を発揮します。
先述した多孔性と高密度により車の走行音や話し声などの生活
音を吸収し、室内へ伝わる音を低減させます。
イメージとしては厚い布団の中で声を出してもあまり聞こえない
ようなものです。
この特性を断熱材として外壁に充填することで、外部からの騒音が
室内に、室内の生活音が外部に漏れるという事がほとんどなくなります。
これは快適な生活をしていくのに決して欠かせない要素だと思います。
そしてこの高い吸音特性を活かして、シアタールームやピアノ室など、防音を配慮しないといけない
空間も比較的容易に作ることが出来ます。
また、アメリカでは空港周辺において防音の素材として使用されています。
● 断熱欠損のない確実な施工

セルロースファイバーは吹き込み装置を使用して施工しますが、
この方法も非常に合理的でシートを貼った壁の中に55kg/m3という
密度でシートがパンパンになるまで吹き込みます。
マット状やボード状の断熱材では隙間なく施工するのには相当の労力と
精度を必要とするのに対し、吹き込みなのでコンセントボックスや筋交い
などにたいして隙間のない施工が容易であり、結果として
断熱欠損が
生まれず、確実に性能を発揮させます。
断熱材は欠損部分があると性能が落ちるだけでなく、結露の原因となり、
大きなダメージを与える事もあるので、確実な施工の出来るこの吹き込み
工法が優れていると考えられます。
■ 充填断熱に外張り断熱を加えた「W断熱」
● 双方のデメリットを補い、メリットを伸ばす「ダブル断熱工法」
木造住宅において、すっかり一般的になった「外張り断熱」と従来からの「充填断熱」
違いとしては躯体の内部に施工するのが充填断熱、外部に断熱材を施工するのが外張り断熱です。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、以下にその特徴をご紹介します。
断熱の方法 |
長所 |
短所 |
充填断熱 |
・繊維系の素材であれば吸音効果がある
・柱の厚みまで断熱材を施工できる
・セルロースファイバーであれば調湿効果もある |
・マット状・板状の素材は隙間のない施工が困難
・上記の理由で内部結露の恐れがある
・和室など真壁工法では厚みが確保できない |
外張り断熱 |
・建物の外側を覆うため気密性を保ちやすい
・躯体も断熱するので効果が高い
・小屋裏などを有効利用しやすい |
・外側に張るのであまり厚い素材が使用できない
・反響が起きてしまう場合がある
・透湿できないと内部に湿気が溜まってしまう |
このようにそれぞれにメリットデメリットがあり、快適な住まいを実現するならばそれぞれのメリットを活かし、
デメリットを補い合う
「ダブル断熱」をお勧めしています。

・高い断熱性(省エネ)
・結露のない透湿素材
・環境配慮素材
・調湿機能
・断熱欠損のない施工性
・高い防音性
・軽量で揺れに強い
・外壁のクラックが少ない
・躯体の耐久性向上
・防火認定
住まいの寿命を短くしてしまい、シックハウスの決定的な要因である「結露」。
永く快適な住まいを実現するには高い断熱性を保ちつつ、結露を起こさない事が重要です。
その為には内外部に断熱材を施し、かつ湿気を妨げないで「透湿」させる事が必要です。
当社の「優しい家」はこのダブル断熱を標準としています。
■ 外張り断熱「フォルテ」の特徴
外張り断熱材「フォルテボード(EPSボード)」はボード状素材の中でも透湿性
がよく、湿気を留めないので、結露のリスクを抑えることが出来ます。
また、柔軟性に富み割れに強いので、外壁のクラック等もほとんど起きませし、
素材自体が
非常に軽量なのでモルタルやサイディングに比べ地震に強く、
高い耐久性を持ち合わせます。
そして、火災になっても燃焼を継続させない性質(自己消火性)を持ち、構造一体
で国土交通省の防火構造30分認定、準耐火構造45分認定を取得しています。
この充填断熱素材「セルロースファイバー」と外張り断熱素材「フォルテボード」のW断熱で、
高い断熱性を持ちながら、高価で大掛かりな24時間換気システムなど必要なく、
結露を抑制する快適な住宅を造る事が出来ます。
家の寿命を延ばすことが出来るので長期的に見れば省エネ効果と相まってとても経済的です。
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